その夜は長く感じた。
私の思いを上手く伝えなきゃ。
それだけは間違えたくない。
彼が…あの時私に声をかけてくれたように、私も勇気を出さなきゃだめだ。

思えば、いつも彼の言葉を待っていただけだった。こんな自分じゃだめなんだ。
彼に伝えたい。私の本当の気持ち。
全部全部。
どうか……受け止めてくれますように。


私は沢山沢山考えた。
いつしか空は薄い群青色になっていた。
もうすぐ夜が明ける。

待ち遠しくて、少し怖くて、それでも早く伝えたかった。


お日様が顔を出した時、私は意を決して彼に話しかけた。


私「おはよう。昨日話してくれたこと、とても嬉しかった。
私もあなたの隣に咲きたかった。
あなたのことが好きです。離れてしまっても、ずっと思っています。」

私は自分の思いを素直に打ち明けた。

暫しの沈黙。
私はドキドキしていた。

彼「おはよう。そう言ってくれてありがとう。僕も君を…愛しています。」

私は涙を流せない。そう思っていたのに…
不思議と1粒の水滴がこぼれ落ちるのを感じていた。