必然の出逢い

その日は土砂降りの雨。
私の心を投影しているかのようだ。

私はただ、上の階のベランダから落ちてくる雫と横から吹き込んでくる雨粒に打たれていた。
全身がちぎれて吹き飛んでしまいそう。
そうなってもいいかな、とすら思っていた。

雨の打付ける大きな音で今日は彼の声も聞こえないだろう。
最早今日は何も考えたくなかった。

あの日…彼と目が合わなければ…。
話してみたいと思わなければ……。
彼になんて出会わなければ………。

頬を伝う雨粒が、涙を流せない私の代わりに泣いてくれているようで、どうしようもなくやるせなかった。

何時間経ったのだろう。
雨音が聞こえない。
私は少し落ち着きを取り戻していた。

もし彼に話しかけてもらえていなかったら。
今頃まだ夜が怖くて辛くて仕方なかったかもしれない。いや、そうだったに違いない。
彼と出会ってからの夜はちっとも怖くなかった。
楽しくて、明日が、毎日が楽しみで、素敵で、キラキラしていた。


彼はあの大雨の下、何を思っていただろう。
今はどうしているだろう。何を思っているのだろう。

彼と話したい。でもまだ、何一つまとまっていない…。まとめなきゃ。別れの日が近いのなら尚更早く。

夜が明けたら話しかけてみよう。
自分から。