必然の出逢い

次の日、空は曇っていた。
昨晩、彼の言葉が切なくて、愛しくて複雑な気持ちで眠っていた。
こんな夜は初めてだ。少し朝になるのが怖かった。

彼からいつものように声をかけてくれるだろうか…

悶々とした気持ちを持て余していると、

彼「おはよう。今日はお日様が顔を隠してしまって少し憂鬱だね。」

彼だ！また話しかけてくれた…！

いつしか待ち遠しくて仕方なくなっていたのだ。そんなことにも気が付かなかった。

私「おはよう！曇っていても今日はなんだか嬉しくて…歌いたいような気分！」

彼「？何かいいことがあった？」

私「…秘密♪いつか話してあげてもいいよ♪」

彼「…。」

彼が抱えているものにも全く気が付かず、私は浮かれていたのだ。
彼とずっと一緒に居られる、なんて愚かなことを思ってしまっていたのだ。

彼「今日も素敵な一日になるといいね。」

心做しか彼の言葉には元気がなかった。
私はこの曇り空のせいかな？くらいにしか見当がつかなかった。


私は漠然と、彼の所へ行きたいな…なんて思うようになっていた。