今日は朝から雨が降っている。
しとしと体中に小さな雨粒が当たると心地よい。
すっかり日課になった彼とのお話は私の1番の楽しみになっていた。

彼「おはよう!今日は小雨が心地よいね。」

私「おはよう。お日様も好きだけど、雨の日も素敵ね。」

ほんの少しの会話なのだけど、私にはこの何気ない会話がないと1日が始まらないような、そんな心地がしていた。

毎日一言二言だけなのに。不思議。
夕方頃、雨が止んだ。

夜は嫌い。長くて暗くて少し肌寒いこの時間の中は少し弱気なことを考えてしまう。
その夜が近づいてきているのだ。
私は憂鬱な気持ちを押し殺して静かに夕日を浴びていた。

不意に彼が話しかけてきた。
この時間には珍しい。

彼「明日も、僕のつまらない話に付き合ってくれる?」

私は驚いてしまってすぐに言葉が出てこなかった。
少し寂しそうな彼の言葉を聞いて、私は思ったのだ。

彼も…夜が苦手なのかもしれない…。

ハッとして、私は返事をした。

私「もちろん!けれど、あなたの言葉はつまらなくなんかない!いつも。。」

楽しくて…嬉しくて…私の大切な-

切なくて胸が押し潰されそうな感覚。この感情に名前をつけるとするのならどういう表現が正しいのだろう。

私は「また明日!必ず!」とだけ答えた。