わしゃわしゃと髪を乱暴に掻き、あたしのほうに手を差し延べた。



「泣くな、」

「ご、ごめん」

「謝るな」

「ご、……」



手首を捕まれ引き寄せられる。謝るなと言われ押し黙ったあたしを壊れ物を扱うようにふわりと抱く。

あたしの頭に頬を乗せて微かにごめんと聞こえた。
翔太が謝ることなんて数えるほどしか今までになかったから、あたしだって素直にならなければと思う。



「あたしもごめん、さっきの本当は嬉しかったわ」

「来るだろ?」



偉そうに上から目線の翔太がやっぱりらしい、と思った。


気付けば、そこは地下駐車場。
ここでも永遠に似た、ときを過ごす。