「柏木くんなら随分前に校門を出ていったよ?後輩が、……後輩だけじゃないけど、女の子が騒いでたから」

「帰ったの?」



あたしを置いてどこかに行くなんて信じれなかったからあたしはきょとんとしていた。



「あたしも、あたしも帰る」



翔太のいないところなんて光りのない世界と一緒だから。



「真知、結婚式呼んでね」

「うん」

「みんな許婚って知ったら、怒り狂っちゃうかな」



みんなの柏木翔太じゃなくて、あたしの翔太だもの。
そしてあたしも翔太の、だもの。