無機質な物が少ない部屋。



「相変わらず……」

「お、お前っ」



無意識に零れた独り言を拾い取られ、口元に手をあて眼を逸らした。
そんなあたしを凝視していたがあたしが何も言わないと諦めたのか何事もなかったようにベッドに寝転んだ。


既に翔太の頭からあたしは弾き出されているに違いない。

これも何かの理由があってのことよね。

また２人きりになってしまった。話すこともなくて、することもない。

この部屋に、翔太の部屋にあたしの居場所はない。

所在無さげに扉の前にしばらく立ち尽くしていた。
翔太は雑誌、……そっち系の雑誌を適当に眺めている。

あたしも座ろう。
たぶん、この部屋にあたしと翔太が２人きりでいることが重要なんだろうし。

部屋を見渡し、ローソファーが目に入るがわざと逸らして、机とセットのキャスター付きの椅子に座った。