ふんわりと女の子らしく、とお気に入りの服を着ているのに気分は晴れない。
化粧もちゃんとして、時間が掛かったが翔太の前に出ていくとあたしの全身を眺めて、ふんっと鼻を鳴らした。



「来い」



どうやら、合格ラインは越えたらしい。
ほっと安心して笑みが零れたが、頭を振った。

翔太のいいなりになってるのになんで笑うの。
安心?あの眼で睨まれないから、よね……。



翔太がわからない。
わかりたくもない、そうだったのに。



きれいに片付けられた床を見るとどう受け取っていいのかわからない。
翔太が、本当にわからない。





昨日と同じ翔太の車の助手席に乗り込んで、だいきらいな翔太と2人、会話もないまま少し離れた翔太の家へと向かった。