マーメイド・セレナーデ

鉄平さんが生ビールをぐびぐびと飲む姿をぼんやりと眺める。



「そんなに見られると飲みにくいな、真知ちゃんの周りはこういう風に飲む人いない?………って、女の子が多いとこだから仕方ないか」



ささやかに乾杯をして一口。ジョッキで運ばれてきたビールの3分の2は既に鉄平さんのなかに納まってしまった。

見慣れない飲みっぷりに驚いた、と言えばそうなのだけれど。

もう、あたしの目はフィルターを通して見ているのかもしれない。


あいつがそばにいるような錯覚を覚えている。