眼が覚めて、背中が痛くて唸るように寝返りを打った。
そしたら手の届く位置に温もりがあって安心した。


覚醒してきた意識をもう一度夢の国に引き釣り込むようにその温もりに手を伸ばして丸まった。



「起きろよ」

「ん……」

「真知」



シパシパと瞬きを多くしながら目を開けたら随分近いところに翔太が居た。

得られないと思ってた、ゆくもりが手を伸ばせばいつだって届く場所にある。