ぴょこんとハネた髪を直そうと躍起になっているとふと鏡の奥にバスルームが見えて思い立つ。

こんなちまちましても直らないんだからいっそのことシャワーを浴びればいいんだわ。
そうと決まればすぐに行動に移した。





コックを閉めて、髪の水分を落としたときに小さく聞こえたコール音に首を傾げる。
タオルだけ巻いて、部屋に戻ると室内に設置された電話がランプを点滅させながら音を鳴らしている。



「はい、」



フロントからの電話で、あたし宛に牧さんから電話が来ているという。
繋いでもらってもしもし、と声をかけたらおはよう、と返ってきた。