マーメイド・セレナーデ

一人暮らしを始める前に使っていた自分の部屋。

人並みのお酒の強さにあたしは頭がクラクラする。
あたしが主役、なのだから勧められるまま飲めば、早々に潰れてしまう。



「頭、ぐわんぐわんする……」

「よお」



敷かれた布団に座り込んでいれば背後の襖が開かれ聞きたくない、声がする。
お母さん、本当に呼んだのね。

頭から翔太を追い出すつもりがさらに居座ってしまった。



「真知、潰れてんのかよ情けなねえな」

「うるさい、」



もう寝たいの、お風呂だって諦める。
早く寝さして、あんたなんかに構って時間を無駄にしたくないの。