これ以上、翔太も、翔太に釣られて視線を動かす女の子も、見ていられない。
あたしの胸の奥を焼けつくしてしまいそうになる。
声を荒げて、言いたくなる。
そこまで考えて止まる。
言いたくなる?――何を?
そういう感情を、知らずに育ってきた子ども時代。
何を持っても自信を持てていた、から。
持て余すこの感情に、振り回されたくない。
押さえる術を知らない、この感情が怖い。
見ていられないなら、見なければいい。
身体を動かすことで誤魔化そうと、レジの中で新しく届いたダンボールの中身を取り出して、無意識に身体が覚えてるまま服を畳んでいると周囲がざわついたのに気付いて顔を上げた。
「……コウサカさん」
「あ、はい……」
翔太から呼ばれる香坂という名字はどこかぎこちなくて聞きなれないもの。
名前を呼ばない翔太はあたしを赤の他人、店員として扱っているからあたしも翔太をお客として扱う。
差し出された服と翔太の顔を何度も往復して漸く購入するためにレジに来たんだということに合点がいった。
あたしの胸の奥を焼けつくしてしまいそうになる。
声を荒げて、言いたくなる。
そこまで考えて止まる。
言いたくなる?――何を?
そういう感情を、知らずに育ってきた子ども時代。
何を持っても自信を持てていた、から。
持て余すこの感情に、振り回されたくない。
押さえる術を知らない、この感情が怖い。
見ていられないなら、見なければいい。
身体を動かすことで誤魔化そうと、レジの中で新しく届いたダンボールの中身を取り出して、無意識に身体が覚えてるまま服を畳んでいると周囲がざわついたのに気付いて顔を上げた。
「……コウサカさん」
「あ、はい……」
翔太から呼ばれる香坂という名字はどこかぎこちなくて聞きなれないもの。
名前を呼ばない翔太はあたしを赤の他人、店員として扱っているからあたしも翔太をお客として扱う。
差し出された服と翔太の顔を何度も往復して漸く購入するためにレジに来たんだということに合点がいった。

