柔らかい朝の陽射しがちょうど顔に当たって、意識が徐々に浮き上がってくる。
寝心地の悪さに、鮮明になる記憶。

目を開けたとき、いつもと違う視界にはて、と疑問を投げかける。
それは唐突に理解した。


鋭い視線、冷たい態度。
なんの言葉もないままに、切り捨てられたのはあたし。

考えることを放棄して、寝たのはあたしだ。


結局昨日はソファーで一夜を過ごしてしまった。
寝心地の悪さは、狭いソファーで寝ていたから。


自分がソファーで寝ていることに昨夜の出来事は夢じゃなかったと気付いて落ち込んだ。

でもあたしも翔太も社会人。
憂鬱な気持ちで過ごしても朝が来たら仕事に出掛けないといけない。


カレンダーに目を移すと翔太は明日の午後の便でまた東京に3日間の出張。今日はどうやらオフみたいだ。

寝室に目をやり、耳を澄ますけれど、なんの気配も感じられなくて、ため息を一つ小さく零した。