「はー」



安堵の色が濃い声を出されてびくつく。


ソファーの背もたれを横にして座っていたあたし。
その後ろで背もたれを跨いできた翔太。


振り返れば、隣に座った翔太に頭を引かれてコツンとこめかみが肩にあたる。



「っんと、真知の泣きそうな顔には、弱い」

「…………泣いてないわよ」

「だから、泣きそうな顔だっつってんだろ」

「ん、」



結局はうやむやになっちゃった、ってわかってる。
けど、我慢しろって翔太が言うならあたしは我慢する以外はなんの選択肢はないの。



「わかった、今は何も言わないから」



翔太が教えてくれるいつかを待つから。