翔太の言ういつかがわからない。
ずっと待っていようって思っていた意志もちょっとしたことで簡単に脆くなっちゃうの。


素直に、わかったわ、って言えば翔太とちょっとした口論になるはずがないのに。
それでも、どうしても。

空いた6年の気持ちを簡単に変えることなんてできないの。



時々、ずっと一緒に居れたらよかったのにって思うときがあるわ。
何も知らずに平和な田舎で永遠があればよかったのに。


後悔、したくなくても。

後悔してる。
翔太との間に、知らない世界を作ってしまったこと。


ぼっと何もせずにいるのもなんだから、ご飯を作ろうかなとキッチンに足を運べばシンクに目が留まる。



「カップが……3つ?」



汚れたカップがすでに3つ置かれてあって、またすぐに不安に襲われる。
あたしの知らない間に、誰か来てたのね。