「……どうせ、何してんだとかくだらねぇことだろ。ったく、いつかわかるっつってんだから、何も考えずにそれだけ信じとけ」

「そ、それでもっ!ああやってあたしの知らない翔太を知ってる人が目の前に居たら、気になっちゃうもの。仕方ないじゃない!」

「俺様だって、テメーになにも聞いてねえんだ。黙っとけ、もう煩いっ」



睨まれる、と思った。
話し方から苛々してるのがわかってた。けれど素直に引き下がって翔太の言う『いつか』を待つわ、と言うことが出来なかった。もし言えていたら翔太とこんな険悪なムードに陥ることはなかったってことくらい、わかっているわ。

けどっ!
けれど!

素直に、なれないよの。



翔太はあの鋭い眼で睨むことすらせずにあたしの相手をするのもバカらしい、と一蹴してせっかく戻って来たリビングをあとにしてあの部屋に引きこもってしまった。


あたしはただ閉まる扉を眺めていることだけしかできないの。
あの部屋に関してはあたしは一切口に出せないの。