「翔太……」

「なに、泣きそうな顔してんだお前は」



翔太の言葉は、あまりにも親しい相手に向けたもので。
その顔を見てあたしは声が震える。


翔太は何とも言えぬ顔を見せたけど一瞬で消すと元居た位置に座り冷めたコーヒーをすすった。

その様子はすごく様になっていて、格好いいと思うわ。
あたしなんかが一緒に居ていいのかしらって。



「で、お前のそのツラ何だよ」

「別に………何もないわ」

「何もないわけねえだろ、何年隣に居たと思ってんだ」



でも、6年は知らないでしょう。
あたしがこっちの学校に入っている間、翔太も学校に行って、知らない世界があったはずだわ。