パパもママも寝静まった真夜中のリビングで、李斗とアタシは二人並んでソファーにもたれながら、李斗が観たいと言っていた配信ホラー映画を観ていた。邦画のホラー映画特有の不気味な効果音が、照明を落としたほの暗い部屋の中、やけに響き渡る。ひときわ大きな効果音と、映し出された幽霊の映像に、思わず李斗の腕をつかんで顔を埋めた。
『くっつくなって』
迷惑そうな李斗の声は、心なしかいつもよりどこか優しくて、トクトクと早い脈を打つ心臓は、ホラー映画のせい? それとも……?
『だって、怖い怖い怖いー』
ホラー映画のせいにしたけれど、アタシは気づいてはいけない気持ちに、気づいてしまった。
『だったら観なきゃいいだろ』
『怖いもの見たさってやつだもん』
『んなこと言って、さっきから観ちゃいねーし』
悪態ばかりつきながら、それでも振り払おうとはしない李斗の腕に、しがみついたままのアタシ。どのくらいの時間が過ぎたのかもわからないまま、エンドロールが流れ始めた画面をぼんやりと見つめていた。心地いい李斗の体温が、アタシを眠りに誘う。
『眠いんなら部屋行って寝ろよな』
おぼろげに李斗の声を聞きながら、睡魔と戦う瞼をなんとかゆっくりこじ開けた。
『くっつくなって』
迷惑そうな李斗の声は、心なしかいつもよりどこか優しくて、トクトクと早い脈を打つ心臓は、ホラー映画のせい? それとも……?
『だって、怖い怖い怖いー』
ホラー映画のせいにしたけれど、アタシは気づいてはいけない気持ちに、気づいてしまった。
『だったら観なきゃいいだろ』
『怖いもの見たさってやつだもん』
『んなこと言って、さっきから観ちゃいねーし』
悪態ばかりつきながら、それでも振り払おうとはしない李斗の腕に、しがみついたままのアタシ。どのくらいの時間が過ぎたのかもわからないまま、エンドロールが流れ始めた画面をぼんやりと見つめていた。心地いい李斗の体温が、アタシを眠りに誘う。
『眠いんなら部屋行って寝ろよな』
おぼろげに李斗の声を聞きながら、睡魔と戦う瞼をなんとかゆっくりこじ開けた。


