☆1回目☆

「マリは、なーんか違うんだよなぁ」

1年前、君の気持ちを確かめたくて試した
友達が私たち付き合ってるって誤解してたよってカマかけたら、なんて言うかなって

少しでもヒントもらえるかなって
期待してた


でも遠回しの
『恋愛対象には見れない』

告白する前に、振られてしまった



じゃあどうしてさ
酔っ払ったら私に電話してくるの?
私と2人っきりでオールするの?
あの時言っていれば、何か変わった?


『友達』以上でも以下でもない


その安定した関係を、保ちたくて、保てなくて
君はまっすぐな直線を描くのに、私だけガタガタ



「大丈夫、彼女可愛くなかったから」


女子部屋で、想像以上のダメージを受けている私にミサが言う

うん、正直私もそう思った
カイちゃんの反応からして、彼もそう思っただろう


でも知ってるよ


どれだけ見てきたと思ってるの


あの人が、見た目で彼女を選ばないことも、人の中身を見ることも
結ばれたらどれだけ大切にして、どれだけ想うかも
その人のために悩む姿、涙流す姿だって
私全部見てきた



だから勝ち目ないって余計実感されるんだ
世の中に転がっているモテテクなんて効かない
簡単になんて揺らがない

それが、私が惚れた人


2人で怖い上級者コース行っても
隣で緊張しながらツーショット撮っても


届かない


遠い


手は簡単に届くのに
簡単に届かない心

それが、どれほどもどかしくて
どれほど虚しいか



小さな勇気は砕けて散って

一歩も進めない


いつの間にこんなに好きになっていたんだろう
どこで、間違えたんだろう
どうしたら、抜け出せるのだろう


どうにかして、何かが変わるのだろうか