カレンダーガール

「明日鷹先生」
しばらくして、桜子先生が寄ってきた。

ん？
なんだか神妙な顔つきだ。

「どうしたの？」
「さっきは言い方が悪くてすみませんでした」
と、頭を下げる。

「何か言われた？」
「はい。明日鷹先生は気遣ってくださったのにあんな言い方はないだろうと、師長に注意されました」
「そう。僕は気にしてないから。大丈夫だよ」
「そうですか」

結局、それ以上の会話が続かない。
話さないといけにことはあるし、このままではいけないのもわかってるのに、なぜかかみ合わない。
そんな空気が２人の間にはある。
何かきっかけを作ってでも誤解を解かないといけないと思うんだが・・・

「ねえ桜子先生。３１日は僕も日勤なんだけど、終わってから初詣に行かない？」
俺は思い切って誘ってみた。

「初詣ですか？」
不思議そうな顔。
「嫌かな？」
「いいえ。でも、有香さんはいいんですか？」
はあー。そこをやっぱり気にしているか・・・

「そのことも含めて、話があるから。１０時に迎えでいい？」
「・・・分かりました」

多少強引に、俺は約束を取り付けた。