「ちょっとごめんね」
女の子に近づいた剛先生が、女の子を仰向けに寝かせると頭の下に手を添えた。

「ねえ、自分で自分のおへそが見られるかな?」

しかし、女の子の首は上がらない。
これって・・・髄膜炎?

「お母さん、検査しないとハッキリしませんが、お腹が原因ではないかもしれません。入院して詳しく検査してみましょう」
「入院ですか・・・」
さすがに、お母さんが驚いている。
「こんなに苦しがっていたら、連れて帰っても心配でしょう?まずは入院して、様子を見ましょう」
剛先生の言葉に、お母さんはそれ以上の反対はしなかった。

髄膜炎。
それは、ウイルスや菌の感染により、脳を覆う「軟膜」「クモ膜」「硬膜」に炎症を引き起こす病気。
もし、剛先生の不安が正しければ、命に関わる可能性もある。

結局、女の子は小児病棟へ入院になった。