ニッコリ微笑むと、朔太郎も微笑み返してくれた。

「前から思ってたけど、映子っていい香りするよね」

「そう?」

それもそのはず。

ついさっき、ヘアコロンをつけたのだから。

「それに、なんか新鮮だなぁ」

「何が?」

「そのメガネ」

しまった…!

部屋にいるときは、常にメガネなので、うっかりしていた。

「ごめん、忘れてた!コンタクトつけるね」

「いやいや!よく似合ってるから、そのままでいてよ」

「ホント?」

「うん。外では見せない顔っていうのも、なんかいいよね」

朔太郎はいたずらっぽく笑う。