いっそ、引いたり呆れたりするようなことを言ってくれたほうがいいのだ。
それなら、朔太郎への恋心も、少しは冷めるだろうから。
かなり照れたように、
「世代的に、多分知らないと思うけど…横山リエ」
「え?」
「昔の女優さん。知らないだろうし、なんか恥ずかしいから…もういいよ…」
「知ってる!」
私がそう言うと、朔太郎は、またしても驚いている。
「映画論の授業で“旅の重さ”を観たの。私、前列に座ってて、講師と目が合った時に『あら?あなた、横山リエに似てるわね!ホラ、旅芸人の政子役の人』って言われて…周りも『あ、ホントだ!』なんて言い出して、凄く恥ずかしかったから…」
『そうなんだよ!その鋭い目とか、細眉とか、ぷっくりした唇とか、低い声とか…ホントそっくりだよな!』
それなら、朔太郎への恋心も、少しは冷めるだろうから。
かなり照れたように、
「世代的に、多分知らないと思うけど…横山リエ」
「え?」
「昔の女優さん。知らないだろうし、なんか恥ずかしいから…もういいよ…」
「知ってる!」
私がそう言うと、朔太郎は、またしても驚いている。
「映画論の授業で“旅の重さ”を観たの。私、前列に座ってて、講師と目が合った時に『あら?あなた、横山リエに似てるわね!ホラ、旅芸人の政子役の人』って言われて…周りも『あ、ホントだ!』なんて言い出して、凄く恥ずかしかったから…」
『そうなんだよ!その鋭い目とか、細眉とか、ぷっくりした唇とか、低い声とか…ホントそっくりだよな!』