放課後、迎えに来ていた車に乗り込んで秀永さんを待っていると、小走りでやって来た。
「ごめん待たせたね」
「いえ」
彼は寂しげに笑った。
その日の夜、やはりご飯が出てきた。
私の仕事はいずこに…。
埃ひとつない家の中を掃除するのも、逆に嫌味ったらしいし、洗濯も終わっている。
「秀永さん」
「んー?」
「私、家政婦業務何もできてないんですけど…」
「うん?うん。しなくていいよ」
「いやでも、家政婦業務しないと賃金発生しないですよね?」
「だね。でもいいよ、しなくて。問題ない」
「困ります!母のために働いていて…」
「後で部屋でゆっくり話そうか」
夕飯が終わり、秀永さんに連れられて部屋に行く。
「ベッドにでも座って」
言われるがまま、ベッドの上に正座する。
「単刀直入に言うね。茉愛ちゃんは、家政婦でも付き人でもない」
「え?」
「俺の婚約者として、うちに来たんだ」



