「違うんだ、もういいよ。俺、忙しくなるから理彩と会う回数も減っちゃうしそんなことなら別れた方がいいと思うんだ」


なるべく素っ気なく、俺を嫌うように。


許すとか許さないとかじゃない。理彩の幸せだけあればいい。新しい男と幸せになってくれれば。


少しの間があいて理彩はうなずいた。


「....わかった。頑張ってね」


「じゃあ、」


じゃあね、理彩。大好きだよ。


理彩は当然、泣かない。俺なんかと別れられてスッキリしただろう。


この嘘が理彩のためになるならば。