キィ....屋上の重たい扉は音をたてて開く。


昨日はあんな帰り方だったのに蓮に呼び出されるなんて。


また私が浮気してるとか言われるのかな。


蓮は....いつも歯に衣着せない言い方なところが悪いところだから。でも、それ以上に私のことを真摯に想ってくれるし、良く言えば素直。


良いところ、たくさん言える。


屋上の柵を見つめて蓮を待つ。寒い空気が私の横を吹き抜けた。


「待たせて、ごめん」


屋上の扉が重々しい音を鳴らす。