あの頃の私たちへ

「あ、工藤先生また女に囲まれてる 人気あるよね 転勤してきてまだ日浅いのに」

工藤先生は数人の女子生徒に囲まれながらニコニコ話をしていた

なんだ私だけじゃないんだ…

あれ?なんでこんなこと…

「ひなた? どうかしたの?」

「いや、何にもない てかあの先生のどこがいいんだか…」

「え、でもひなた工藤先生に助けてもらったんでしょう? 優しいし穏やかだしイケメンだし悪いところが全くないじゃん」

「まぁそうだね…」

たしかに周りから見たら完璧な男性に見える

だけど私には違って見えていた

何かを抱えてるような…

私と同じ感じ

私たちは工藤先生を横目に移動教室に向かった