横浜山手の宝石魔術師



絵里は振り返り、むっとした表情を友人に向ける。


「インカローズとかに頼ってないで、手紙書いてあの人の出待ちするくらいの勇気は無いの?」


「そういう勇気無いからインカローズのブレスレットが欲しいんじゃない・・・・・・」


しゅんとした顔で真央が言えば、絵里はその様子にイラッとしていた。

学校前でセミナーの絵里と真央はちらしをもらい、真央は参加するためにインカローズのブレスレットを買おうとしたが、どうせならあの噂のインカローズが欲しいと情報を待っていたが買うことが出来ず真央は既に諦めていた時、占いだけ追加で出来るらしいという情報を絵里が知って、ダメ元で行こうと急いで来てみたがやはり既に打ちきりだった。

でも絵里が必死になっているのは親友の真央の為なのに、その本人が後ろ向きならさすがにイライラする。

せっかく声をかけたセミナーの女性には断られたし、絵里はため息をついて真央に帰ろうと声を出そうとしたら絵里と真央が手に持っていたスマートフォンが同時に震え、二人は慌てるように画面を開く。

朱音はどうしていいのかわからず、食い入るようにスマートフォンの画面をスクロールしながら見ていた女子高生二人を見ていたら、その二人は顔を見合わせた後、同時に朱音を見て朱音はびくっとした。


「お姉さん、何歳ですか?!」


「・・・・・・24歳ですけど」


「凄い!ギリオッケーじゃない!」


絵里の質問にびくびくと答えると絵里はガッツポーズをして朱音は怯えながらもさっぱり質問の意図がわからない。


「お姉さん、あの綺麗なお兄様の彼女じゃ無いですよね?」


「も、もちろんです」


既に違うことが前提で絵里に聞かれて、何故か傷つきながらも朱音自身も当然だと思いまた傷ついた。


「でもあのお兄様は好きでしょう?」


ニヤッと絵里が朱音の顔を伺うように小声で聞いてきて、朱音は言葉に詰まった。

「少しでも距離を縮めたくないですか?

せめてあのお兄様が無理でも素敵な恋愛したいでしょ?

お姉さん彼氏いないんだし!」


何も言っていないのに朱音に彼がいないことが確定されていて、あげくここは歩道なので人が時々何事かと通りながら視線を向ける。

朱音は絵里が爪楊枝で自分のハートをぷすぷす刺している気がして、何故こんな拷問に見知らぬ女子高生から遭っているのかわからない。