横浜山手の宝石魔術師


朱音は女子学生達から視線を浴びていることをひしひしと感じながら、


「インカローズのセミナー受付は終了しましたが、ミニ占いだけ10名ほど新規受付けが出来ることになりました。

インカローズのブレスレットを今している女子学生さんでご希望の方がいらしたらお声かけ下さい」


と緊張しながらも笑顔で声をかけた。




すぐに10名埋まり、数名はインカローズのブレスレットをしていないということで断り、朱音はその報告をしようと山手234番館に入ろうとした。


「ほら!もたもたしたから!」


「でも、私達インカローズのブレスレット持ってないし」


「あのお兄様に会いたかったんでしょ?!」


「そうだけど・・・・・・」


背後からきゃいきゃいする声としょんぼりとした声が聞こえ朱音が振り返ると、歩道にショートボブの女子高生と、三つ編みの女子高生がいた。

制服からして例の女子学校のうちの一つだ。

その女子高生二人と朱音の目が合うと、気のせいか三つ編みの女子高生の目がキラキラとして朱音に近寄ってきた。


「お姉さん、もしかしてインカローズセミナーの人ですか?!」


「あっ、はい」


「占いの空きがあるって情報聞いて来たんです!」


凄く迫ってくるが、さっきインカローズのブレスレットをしてないというのを朱音はしっかり聞こえていた。


「すみません、もう占いの人数埋まってしまって」

これは本当のことであり、申し訳なさそうに三つ編みの子に朱音が言うと、


「キャンセル待ち出来ませんか?!」


「ごめんなさい、そういうのはしていなくて」


「もういいよ、やっぱりインカローズのブレスレットをしてないと無理なんだよ」


朱音の答えに再度食いつこうとした三つ編みの絵里の制服を、ショートボブの真央が引っ張って止めた。