横浜山手の宝石魔術師



「石には言ってみれば得意分野があり、インカローズは恋、愛の石とされ、それはあの木イチゴのような赤でも、縞模様があるものもかわりません。

縞模様が入っている方が好きという人だっています。

ローズクォーツも恋の石と言われ、やはり愛や恋をイメージするピンクの石が皆さんの思いの後押しになるでしょう。

叶うかどうかは石の品質、価格では無く日頃の石への向き合い方で、特に日頃の浄化は大切です。

浄化方法は色々ありますがただでさえインカローズはもろいので、扱いに注意する必要があります。

一番オーソドックスな方法は月光に当てることです。

あとは水晶やアメジストのさざれ石の上に置いておくのも良いでしょう。

皆さんのために必死に頑張っている石をきちんと休憩させてあげれば、石も大切に扱う人にはその持ち主のために頑張ろうと思うものです。

そうやって石と良い関係を築いて、恋の後押しをしてもらって下さい。

石はあくまで皆さんの頑張り以外の部分をサポートするもの。

きちんと行動をしていなければ後押しのしようが無いのを忘れないで下さい。

そうやって石と上手に付き合って頂ければと思います」


笑みを浮かべ学生達をゆっくりと見渡せば、じっと皆聞き入っていたのか我に返ったように学生達は照れている。


「さて、インカローズのお話しはここまでにして、少し休憩してお待ちかねの恋占いにしましょう。

紙を配りますので、自分の生年月日、お相手の生年月日がわかる方はそちらも記入して下さいね」


学生達が拍手をし、冬真はお辞儀をすると一番前の学生から紙を一人一人に配り出す。


『朱音さんは大丈夫でしょうか』


学生達に声をかけながら、一度もレクチャールームには戻らなかった朱音の事が冬真は気がかりだった。