突然ポンと膝を叩くと夫は立ち上がった。 「よし、ちょっと出掛けるか」 「今からですか?」 夫は寝室に向かい、クローゼットからまた上着を取り出した。 そして私のコートも持ち出すと私に差し出した。 「どこに行くの?」 「駅前に大きなツリーがあっただろう。ライトアップされて綺麗なんだ」 私はクスリと笑った。 まったくこの人は、歳を取ってもロマンチストな本質は変わっていないのね。 私達は上着を着てうんと温かくして出掛けた。