「今回のこともあるし、また何かあって君を1人にするのは嫌だから、できれば一緒にきて欲しいと思ってる」

そう言った東夏さんに、
「…返事は、いつまでに出せばいいんですか?」

私は聞いた。

「この結婚生活が終わった時に…で、いいかな。

それまでによく考えて答えを出して欲しい」

「そうですか…」

私はそう返事をすることしかできなかった。

「食べようか?」

東夏さんがドーナツを箱から取り出しながら声をかけてきた。

「佐奈さんが好きなのを選んでいいから」

「先に東夏さんから選んでください」

「そうか」

物珍しそうにドーナツを選んでいる東夏さんの顔を見ながら、私は自分はこれからどうしたいのか彼とどうなりたいのかを考えていた。