ステキな攻防戦

「離婚してください」

私を見てきた彼を見返すと、私は言った。

「ここに名前を書いてください。

提出に関しては私が朝一番に役所へ行って出してきますし、今住んでいるところも1ヶ月以内には出ていきます。

両親にはこのことはお話済みです」

「…ちょっと待ってくれないか?」

彼は言った。

「はい?」

私は聞き返すと、
「帰国早々、離婚届を出されるとは思わなかった」
と、彼は言った。

でしょうね。

心の中で呟いたら、
「何か不満なことがあったのか?

それとも、君は最初からこの結婚が嫌だったのか?」
と、彼は聞いてきた。

「不満も何も…私はこの3年間、ずっと1人だったんですよ?

世界的状況で仕方がなかったとは言え、私は1人でした。

正直なことを言うと、結婚しなければよかったと後悔すらも感じています」

私は彼の質問に答えた。