「ユカ!ほら見てあそこ!」
英語好きの友達、マユに連れられてやってきたのは神田外語大学のオープンキャンパス。そしてマユが差す方向には、明らかに顔立ちの整った男性がいた。
「あの人が私の言ったイケメン大学生!アメリカ育ちだから日本語は話せないらしいよ」
私は完全にその先輩に魅了されていた。でも、私は英語が苦手。きっと、関わることも出来ずに終わるのだと思っていた。
「ユカ…こっちくるよ」
マユの言った通り、先輩はこちらへ歩いてきた。緊張のあまり後ずさりもできず、先輩は私の目の前に立つ。
「Sorry.I want to take a book」
意味がわからなかったが、マユに引っ張られ、先輩は私の後ろにある本を取って微笑んだ。
「Someday I would like to talk to you in English」
その意味が『いつか君と英語で話したいな』だなんて思いもしなかった。

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