「誠司!見てほら!星が綺麗に見えるよ!」
「お、すげえな!七夕の夜にこんなに綺麗に見えるなんて」
「本当に!今日、私のお願い聞いてくれてありがとね!さすが私の幼馴染くん!」
「本当に。まさかこんな夜に学校に来ることになるなんてな。まあ今日は七夕だから特別だよ」
「ふふっ!織姫様が彦星様に会える唯一の日だもんね〜!」
「でも辛いだろうな。好きな人に年に一度しか会えないなんて」
「え〜何その自分好きな人いますよ、みたいなアピール。どーせ彦星様は織姫様の知らないところで浮気してるんだー!」
「ははっ彦星最低だ」
「男ってそんなもんじゃないの?だから私は誰とも付き合いたくないのよ」
「…そんなことないよ」
「へ?」
振り返ろうとしたその時。
背中に温もりを感じた。
私の胸の前にある腕を封じ込めるように大きく優しく包まれる。
「本当に。心から好きだと思った人に、そんなことしない。……こんなこともね」



♡33