「六花〜最近彼氏とどうなのよ〜?」
学校の帰り道、友達の桜が言った
「え…別に!変わりないよ〜」
…本当は嘘
別の高校に行って約2ヶ月
デートは疎か連絡すら取っていない

もしかしたら、既に向こうには、他に好きな人がいるかもしれない

桜と別れた後、嫌な事ばかり考えていた

ヴーヴーヴー
電話だ
「もしもし?」
『あ、六花?俺!春!久しぶりだな!元気にしてたか?』
「春…私が元気にしてたと思う…?」
ちょっと嫌な風に言ってしまった
『え、元気ないのか?』
「違うけど、春から連絡なくて凄く寂しかった。もう自然消滅したのかと思った」
『…そっか、寂しい思いさせてたんだな。ごめん』

謝って欲しいんじゃない…

パラパラ…
「あ…」
『どうした?』
「雨が…」
『入るか?』
「…何言ってんの」
『後ろ』
え…
振り返ると傘を持った彼がいた
「お前に会いに来た。会いたかった。六花の事が好きだから」



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