「おい、また来たのか」
声をかけてきたのは保健室の先生兼私の育ての親だ
「だって授業聞いててもわかんないんだもん」
「そんな事言ってサボってたら母さん悲しむぞ」
実は私の実母は幼い頃に他界してしまったのだ
だから私は母のことをほとんど覚えていない
「私はお義父さんと一緒の方がいいのー!」
「ほんと、お前は可愛い奴だなぁ…母さんそっくりだ」

…いつもそうだ

お母さんのことばっかり…

「…ほんとは気づいてるくせに」
私がボソッと言うと義父は少し困ったような顔をした

ごめんねお母さん

私やっぱり貴方の娘です

お義父さんのことが好きです

「お義父さん」
「何?」
「好き」
「…俺も好きだよ笑」

…本気にしてないんだな
でもいつか本気で好きにならせてやるから覚悟しとけよー?

すると義父はそっと頭を撫でてきた
「落ち着いたら授業戻れよ笑」

…貴方がそばに居たら一生落ち着けないから!

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