「…ここどこ?」
私、小桜 恋羽は、道に迷っております…
家に帰るのに、地下道かな〜って
思って、暗い狭い道を通ったんだけど…
すっごい…薄暗くて…光も無い…人もいないし…
こ、怖い…
で、でも結構進んで来ちゃったし…
「ねぇ」
と、暗い道に響いた声。
「は、はい!!」
と、声をした方に向くと、
多分男の人が。
暗くてよく見えないや…
「わぁー、予想通りめっちゃ可愛い。」
「へえっ?」
「どうしたの?」
「えっーと…」
迷ったって言うべき?
でも、きっと男の人だよね…
昔から、男の人は、苦手…
お兄ちゃん以外信用出来ない…なんて…
「迷ったんでしょ〜」
「えっ、あっ…」
「俺が、道送ってあげよっか。」
「ひゃぁ」
きっと、今手を肩に乗せられてる。
「や、やめて…」
今にも消えそうな声で、私が言う。
本当に…無理…
触らないで…
「あれ?泣いちゃった?」
と、私の顔を触ってくる。
「やっ…」
「おい」
と、今目の前にいる人とは、違う人の声が鳴り響く。
「触るな。どけ」
と、私から男の人を離してくれた。
「はぁ?お前誰だって…」
「あ゛ぁ?」
そんな低い声が、またもや鳴り響く。
「す、すみませんでした!!!!!」
と、言うと同時に人の足音が鳴り響く。
「着いて来て。」
と、私の手を握ってくれる、助けてくれた人。
…あれ?この人には、触られたくないってならない…
数分後
やっと、光が見えた。
あ、あれ?私が?さっきこの道に来たところ…
あの道の奥、行き止まりなのかな?
でも、そんな光で見える、助けてくれた男の人。
わぁ…イケメンさんだ。
茶髪に、顔の全部のパーツが整ってて、高身長。
こんな完璧な人、お兄ちゃん以外に初めて見た…
「あ、あの、ありがとうございました!!!」
と、私は、イケメンさんに頭を下げる。
「なんで、あそこにいたの」
「あっ、家の近道かなーって」
「…お前が通るようなところじゃないから、もう通るな。」
「あっ、はい!」
「ん、いい子。」
と、イケメンさんは、私の頭を撫でる。
そんな動作にドキドキしちゃった…なんて
「あ、あの…名前。」
「あー…じゃあ、次会った時にね?」
「えっ?」
「きっとまた会うから。な、恋羽。」
と、イケメンさんは、にこって笑って暗い道に戻ってった…
な、なんで、私の名前…
会ったことあったっけ?
で、でも…不思議…
あの人に、触られても、ヤダって思わなかった…
その後は、いつもの道で帰った。
ちょっと遅くなっちゃったから、お兄ちゃんからの質問攻めは、凄かった…
「恋羽〜」
そんなことがあってからの翌日。