誰かに肩をトントンとたたかれている気がして、起きると目の前に5がいた。

「5…どうしてここに」

「アバドン様からの指示だ。決して、自分の意志じゃないからな」

そんなのわかっている、でもいちいち言わなくてもいい気がする。

「この迷路どうするの…」

もっと時間がかからない方法を探したい。

「そんなの決まっている、壊せ」

壊す、そんな考え浮かばなかった。

「わかった」

変身道具の針を動かす。

「輝け、コミッティー☆シャワー」

私の技はどちらかというと破壊には向いていないけど、かなり奥の方まで壊せたみたいだ。

5も何か必殺技するのかな?と思いながら待っていると、壁を殴って壊し始めた。

「え…そこは何かかっこいい技をするべきでしょ」

「いや、俺は必殺技なんて持っていない」

確かに今まで何度か戦ってきたけど、必殺技を使っているところを見たことがなかった。

二人で壁を壊しながら進んでいく。

最後の壁を壊すと、そこには鉄でできた扉があった。