【side永安寺天】
黒い渦に飲み込まれて気づくと、高級感のある部屋にいた。

どうしていいかわからず混乱していると、沙彩と、一組の加那がやってきた。

ってことは、加那が7!?

驚きの真実に動揺を隠せないでいると、7…加那が話しかけてきた。

「あーあ、せっかくレッドの正体がわかったのにバレちゃった」

「かな、なんで正体がわかったんだ」

とにかくそれが気になっていた。

「え?だって、性格とかがてんのままだからだよ」

ガーン…、理想のヒーローを演じていたはずなのにそのままだったみたい。

「安心して、てんの性格がそのままでもヒーローみたいだってことだから」

沙彩が珍しく優しい言葉をかけてくれる。

「そーだよな〜、俺はそのままでもヒーロー!」

気分が良くなりふかふかのソファーにダイブした。

「そんなことより、何でかなはイーヴィルブラックなんかに入ったんだよ」

加那が躊躇いつつゆっくりと口を開いた。

「わからない、いつの間にかアバドン様に従うようになってた」

一つわかったのは、自分の意思ではないということ。

アバドンがとても怖くなった。