まだ変身を解くのは危ないと思い校舎内を走り回っていた。

流石に振り切れたと思い針を12時のところに動かし、私は元も姿に戻った。

すると体から力が抜けていった。

足がガクガク震えて立つことができない。

どうしよう…、助けを呼ぶわけにはいかない。

「なにしてるんだ」

いきなり声をかけられた。

慌てて壁につかまって立ち上がる。

振り返ると隣の席の賢人くんがいた。

委員会とかもないのに、こんな時間まで何をしていたんだろうという疑問が浮かんだ。

「そ、その…運営委員会の仕事が終わって帰ろうとしてたところ」

これは事実だ。

「そ、そうか。じゃ、さよなら」

怪しまれなくて良かった。

安心して帰ろうと思い下駄箱の方へ向かって歩こうとした。