スケッチブックを1枚埋めるように描かれているのは、サンタクロースの格好をした可愛らしい男の子のイラストだった。

そのイラストを見た蘭たちは、すごい、と呟いた後、碧子は「もうすぐ、クリスマスだものね」と呟く。

「冬都さんたちは、クリスマス……どう過ごされる予定ですか?」

蘭の言葉に、冬都は少し考えた。クリスマスをどう過ごすかなど、冬都は考えていなかったのだ。

「…………多分、家で過ごすと思う」

考えに考えて、冬都が辿り着いた答えは「家で過ごす」という選択肢だった。

「輝一たちと過ごせばいいのに……」

「……」

その会話に後からフォルトゥナにやって来た輝一、大智、楓(かえで)、紫月(しづき)が加わって話をしていると、扉が開いてアイビーとソラが入ってくる。その後ろには、震えながら杖をぎゅっと握りしめた女の子がいた。

「……あの、私……サーシャ、といいます……その、今回はすみません!!」

自己紹介をしたサーシャは、頭を下げる。急にサーシャが謝ったことに皆は首を傾げたが、状況をすぐに理解した冬都が口を開いた。

「……えっと、君がこの子たちをフォルトゥナに連れてきたってことかな?」

冬都の問いかけに、サーシャは「はい」と泣き始める。そんなサーシャを、ソラは宥める。

「ゆっくりでいいから、説明お願いしてもいいかな?」