あれから数日が経った。いつものように目を覚ました蘭は、一人一人に与えられた部屋で私服に着替えると皆が集まっている部屋に向かう。

「おはようございます」

「おはよう、蘭」

蘭が部屋に入ると、既に碧子と星夜と圭介とアイビーは起きており、それぞれ挨拶をした。

「アイビー、ちょっといい?」

扉を少し開けて、ソラが部屋に顔を覗かせる。アイビーは「分かった」と部屋を出ていった。

蘭はそれを見送ると、碧子たちのもとに移動する。

「アイビー……って、あれ?」

突然部屋に現れたのは、スケッチブックを片手に持った、ローブを着た冬都と凛都で2人はアイビーの姿がないことに首を傾げた。

「アイビーさんなら、先程ソラさんに呼ばれて部屋を出ていきました」

蘭の返答に、冬都は「そっか……見せたかったのにな……」と呟く。

「残念だったな」

凛都はそう言いながら、冬都の肩に手を乗せた。冬都は凛都の手を軽く払うと、蘭たちに近づく。

「……アイビーくんに、何を見せたかったの?」

碧子の言葉に、冬都は「イラストです。久しぶりに、イラストマーカーを使ってイラストを描いたので」とスケッチブックをめくると、アイビーに見せたかったイラストを蘭たちに見せた。