「あ!輝一、来てたんだ……!」

「凛都さんから、冬都はフォルトゥナにいるって聞いたから……」

ふわりと微笑みながら言う輝一に、冬都は会えたことに嬉しさを覚えつつも「……アイビー、ちょっと見て欲しい人がいるんだけど」とアイビーに目を移した。それから、蘭たちを部屋に入れてから説明をする。

「……なるほど、確かに冬都の言う通り魔法の痕跡は残ってる……でも、何の魔法かまでは分からないな……僕が冬都たちを召喚した時の魔法とは違うような気がする」

「……じゃあ、どうやったら向こうに帰れるの?」

「分からない。何の魔法か分からない限り、どうにも出来ない……」

冬都の問いかけに、アイビーは首を横に振った。

「……蘭たちには、悪いけど……しばらくは、僕の館で暮らしてもらうことになりそうだね。早く返してあげたいんだけどな」

「今のところは数日は解剖の依頼が入ってないけど、緊急で依頼が入る時があるから早く帰りたいわ……」

「……あの……ゼルダさんとマルティンさん、ルカさんの姿が見当たりませんが、ここに来た時一緒でしたか?」

冬都の問いかけに、碧子は「……いえ」と首を横に振る。

「……なら、世界法医学研究所にいるかもしれないね。僕から、ゼルダさんたちに事情を話しましょうか?」