依頼を終わらせた冬都は、アイビーのいる館に戻るために森を歩く。

「……ん?」

がさりと音がして、冬都はふと立ち止まった。妖魔かもしれない、と冬都は辺りを警戒するが、冬都の前に現れた人物を見て警戒を解く。

「冬都さん、お久しぶりです」

現れたのは、数週間前にとある事件で出会った監察医の神楽蘭(かぐららん)、蘭の恋人の三国星夜(みくにせいや)、探偵の深森圭介(ふかもりけいすけ)、所長の紺野碧子(こんのあおこ)だった。

「お……お久しぶりです……」

フォルトゥナで蘭たちに会ったことに困惑しながら挨拶をすると、碧子は「気が付いたらここにいて……」と冬都にさっきまでの出来事を話した。

さっきまで蘭たちは解剖の依頼もなく、皆で談笑していたという。

「それで、光に包まれて気が付いたらフォルトゥナにいたと……何かの魔法かな……アイビーの方が魔法に詳しいから、アイビーに見てもらおうか。僕について来て」

少し考えた冬都は、そう言って館に向かって歩き始めた。



「アイビー!」

冬都が扉を開けながらアイビーの名前を呼ぶと、アイビーと水色髪の女性……ソラ、そして冬都の親友である輝一(きいち)が同時に冬都の方を見た。