アイビーの言葉に、冬都は「うん」と答える。

アイビーと世間話をしながら、冬都はフォルトゥナにある「エデン」と呼ばれる町を目指した。

エデンで用事を思い出したと言ったアイビーと別れ、冬都はエデンの町を歩く。

1人でこなせそうな任務を選んで、冬都は任務へと向かった。冬都が受けた任務場所には、数匹の妖魔がいる。

冬都は武器を構えることなく、右手に青い炎を灯した。

ゆらりと青い炎が揺れると、数匹の妖魔の近くに飛んでいく。パチン、と冬都が指を弾くと、炎は小さな爆発を起こした。

妖魔は一気に消えていく……が、新たに妖魔が姿を見せて、冬都は刀を構えた。



冬都が依頼で妖魔と戦っている頃、最近魔法を使えるようになった、駆け出しの魔法使いのサーシャは1人で妖魔と戦っていた。

「私の魔法が効かない……」

妖魔に攻撃魔法を放っても、妖魔は傷一つ付いていなかった。サーシャは杖を握りしめて、「どうしよう」と呟く。

妖魔は、サーシャに向かって飛びかかった。死の恐怖を、サーシャは感じる。

サーシャは妖魔に杖を向けると、何も考えずに魔法を放った。白い光が杖先から飛び出して、それに当たった妖魔は消えていく。

「……た、助かった……」

そう呟いたサーシャは、その場に座り込んだ。