魔法使いと監察医

「冬都さんの姿が見当たりませんね」

キョロキョロと辺りを見渡す圭介の言葉に、蘭たちも部屋を見渡した。

圭介の言う通り冬都以外の全員がいるのに、冬都の姿だけがない。

「冬都なら、仕事中だ」

手を動かしながら、凛都は答える。それを聞いた大智は「こんな日くらい、休めばいいのに……」と呟いた。

「……まぁ、冬都は有名なイラストレーターだからね。大変なんだろうな……」

大智の言葉に、輝一がそう答える。蘭は「そうなんですか……私も手伝います」と言って、楓と紫月とソラのもとに向かった。



「で、準備が終わりそうだったから、冬都に連絡を入れたの」

碧子が説明を終えたあと、輝一がそう付け加える。

「そうだったんだ……」

「冬都も来たし、パーティー始めようよ!」

「賛成!」

大智の言葉に、楓がにこりと笑った。そして、始まる賑やかなクリスマスパーティー。

アイビーは笑顔の冬都を見て「冬都、良く笑うようになったな」と呟く。

「……どういうことですか?」

その呟きが蘭の耳に届き、蘭はソラに話しかけた。

「冬都はね、僕らと会った当初はあまり笑わなかったんだよ。輝一たちに出会って、一緒に過ごしていくうちに笑うようになったんだ」