その姿を真近で見て、胸がきゅんと反応した。

「早いね」

「うん、実はあまりよく寝れなくて」

彼は頬を掻きながら、気まずそうに言った。

「大丈夫?昨日飲み過ぎた?」

飲み過ぎたのは自分なのだが、そのことを今はすっかり忘れている。

「いや、そんなに飲んでないから平気。心配してくれてありがとう」

蓮君は優しい笑みを浮かべると、私の頭を撫でた。

それだけで、胸の鼓動が激しく動き始めるのを感じる。

「大丈夫ならよかった」

控えめに笑った次の瞬間、蓮君の頭にあった手が首の後ろに回り彼へと引き寄せられたかと思うと、唇にキスをされた。
昨夜と同じ優しいキス。

「……ど、どうして」

唇が離れた瞬間尋ねてしまった。

「可愛いから、おはようのキスがしたくなった」

甘い台詞を投げられては、赤面するしかない。

「可愛い、本当に」

蓮君はさらにもう一度キスをして、私を胸に抱き込んだ。