駅に着くと、何やら騒がしい。
どうやら人身事故の影響で電車が休止していた。
「今夜は雨じゃなくてよかったね」
「そうだね、少ししたら動くかな」
以前大雨に打たれたことを思い出し、お互いの目を見てクスッと笑う。
「ここで待ってるのもなんだし、よかったらコーヒーでもどう?」
黒川君の長い指が差す先には、抹茶味のラテを推すカフェがある。
薄手のカーディガンを羽織っているとはいえ、やや夜は冷えるので、誘いに乗ることにした。
店内は午後十時前だが、電車が止まっているためだろう、昼間と変わらず満席に近い。
それぞれ飲み物を注文した時、カウンター席がちょうど二席空いたので、そこに腰を下ろした。
電車がいつ動き出すか気になっているものの、座ることで少し気持ちが落ち着く。
無糖のアイスコーヒーを口にした時、隣の黒川君が口を開いた。
「柏木が忙しそうにしてたけど、今井さんも忙しくなりそう?」
ふと隣を見ると、至近距離の彼と目が合う。
思わず顔ごと反対の方向に向けてしまった。
一気に心拍数が上がるのを感じ、胸を押さえてしまう。
「今井さん?」
何も知らない黒川君は顔を覗こうと、さらに私に近付く。
きっと、不思議に感じているに違いない。
どうやら人身事故の影響で電車が休止していた。
「今夜は雨じゃなくてよかったね」
「そうだね、少ししたら動くかな」
以前大雨に打たれたことを思い出し、お互いの目を見てクスッと笑う。
「ここで待ってるのもなんだし、よかったらコーヒーでもどう?」
黒川君の長い指が差す先には、抹茶味のラテを推すカフェがある。
薄手のカーディガンを羽織っているとはいえ、やや夜は冷えるので、誘いに乗ることにした。
店内は午後十時前だが、電車が止まっているためだろう、昼間と変わらず満席に近い。
それぞれ飲み物を注文した時、カウンター席がちょうど二席空いたので、そこに腰を下ろした。
電車がいつ動き出すか気になっているものの、座ることで少し気持ちが落ち着く。
無糖のアイスコーヒーを口にした時、隣の黒川君が口を開いた。
「柏木が忙しそうにしてたけど、今井さんも忙しくなりそう?」
ふと隣を見ると、至近距離の彼と目が合う。
思わず顔ごと反対の方向に向けてしまった。
一気に心拍数が上がるのを感じ、胸を押さえてしまう。
「今井さん?」
何も知らない黒川君は顔を覗こうと、さらに私に近付く。
きっと、不思議に感じているに違いない。